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2024-03

冬支度のあれこれ~Blackberry Wine

年も明けて、はや6日。

イギリスの年越しには、日本のようにぱりっと気持ちが改まるところがなく、
年越しをお酒を片手に祝うだけなので、元日は二日酔いから始まる人も多いはず。

今回の年越しは気に入っているパブにて。
(Shakespearesという名前のパブ、
 名前や雰囲気もさることながらエールの品ぞろえも良い。
 木曜日のQuiz Nightには必ず数問シェイクスピア関連の問題が出ます)

深夜に帰宅すると友人が「今から行く」というので待っていると
その手にはカクテル・シェーカーとテキーラ、コアントローにレモン。
自らマルガリータを作ってくれたのでした。

キッチンがダンスフロアと化し、楽しく過ごしたこと、
そして翌朝二日酔いであったことは言うまでもありません…


さて、これから数回に分けて、この秋~冬にかけて作った保存食を紹介したいと思います。

今回はBlackberry Wine(ブラックベリーワイン)。

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ブラックベリーというのは、ブランブルという植物の茂みに
9月頃に実る深い紫~黒の実の総称ですが、
その種類は細かく分類すると400近くあるのだそう。
確かに、ある場所から少し歩いて、次の茂みへと赴くと
実の形、柔らかさ、色合いが微妙に異なっているのです。

お庭にブランブルがある家庭もあるのですが、
うちの庭には生憎生えていないので
近所まで散歩がてら、昨年秋には二回ほど取りに行きました。

枝にはとげがあり、そこらじゅうにNettle(ネトル)という
触るとかぶれてしまう草が生えているので長袖&軍手は必須でした。
(このネトルに刺されたところは、ドックリーフという別の葉っぱでこすると
 痛みが引くという民間療法があり、歩いている途中に
 ドックリーフを見つけてはポケットに常備していました)

使われていない農地の石垣にいいスポットがあり、
収穫しだすと「まだまだ…!」と止まらなくなるのは
食い意地が張っているからか。

途中、何組か同じようにforaging(自然の食料採集のこと)に
興じている人たちにも行き会いました。
結局二回あわせて8キロくらいは収穫したのではないでしょうか。

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これはごく一部。


ではすぐにジャムやワインに、とはいかないのが
お店から買ってくるものと違うところ。
果汁をたっぷり含んだ果実をおいしいと思うのは
人間も虫も同じなのでしょう。
水で洗いながら虫(というか何かの幼虫)を取り除く作業に結構な神経と労力を使います。

ブラックベリーは、ジャムとワイン、
それからあまりはブラックベリー&アップル・クランブルなどのお菓子にすることに。


ブラックベリーワインを自宅で作るというのは
一般的であるらしく、調べると色々なところにレシピ・方法が紹介されています。

参考にしたのはこのあたりのサイト:
http://www.rivercottage.net/recipes/blackberry-wine/
http://www.theguardian.com/lifeandstyle/wordofmouth/2011/aug/31/how-make-blackberry-wine-whisky



ワインの仕込には時間がかかりましたが、工程はそこまで複雑なものではありませんでした。

Fermentation Bin(発酵用のバケツ)にベリーを入れて、実をつぶします。

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熱湯を加えてよく混ぜて冷まし、ペクチンを入れて一晩おきます。
24時間後にイーストと発酵を助けるyeast nutrientを入れて4日~1週間おきます。

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実を取り除くため、濾して砂糖を加えます。

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デミジョンという大型のガラス瓶に移し、エアーロックをつけてあとは熟成を待つばかり。
(デミジョンの隣にあるのは入りきらない分を分けた瓶。
 発酵が進むとデミジョンの中の液体の量が減ってくるので、これを足していきます)

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当初は6週間ほどのつもりでしたが、結局2か月ほどおいてから瓶に詰めたように記憶しています。
クリスマス前後にためしに飲んでみましたが、少し渋みが気になるものの、味わいは確かにワイン。
瓶に詰めてから6か月ほど熟成はさらにすすむようで、味もまろやかになるのだとか。
3本ほどクリスマスプレゼントにあげてしまいましたが、
まだうちには2本ほどあるので、折を見て味見をしてみようと思います。


今度はコーディアルの話を。




ブラックベリージャムも作りました。
あたたかいスコーンとクロテッドクリームにぴったり。
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今ひとたび新たな年を迎えて

みなさま、あけましておめでとうございます。


2013年は更新もなかなかおぼつかず、
どれだけの方が読んでくださっているのかもわかりませんが、
2014年はもう少し日々のあれこれを綴っていきたいと思います。


忘れないうちにクリスマスの写真たちを。

せめてイギリスにいる間は、と近くのFruit&Veg shopで本物のツリーを購入。
photo+2_convert_20140103081440.jpg


昨年はbauble(ボーブル:定番の球のオーナメント)しかなかったので、
オーナメントをいくつか作りました。


窓際にも飾りを。

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少し裾が広がりすぎていたツリーを少し刈り込んだあまりの緑や、
秋からつるしておいた庭のラベンダーなどでリースも作りました。
ここは風が強いので飛ばされてはいけないと、室内に飾っています。

photo 4
(クリックで拡大します)



昨年に続き、クリスマスは Leeds(リーズ)のそばの小さな町、
Gomersal(ゴマソル)の家庭にお呼ばれしてきました。

こちらのお宅にはほっそりとしたツリー。
photo+1_convert_20140103082724.jpg


クリスマス・イブにはラムのキャセロールに舌鼓。
そのあとにはWhim-wham(ウィムワム)というデザートをいただきました。
スポンジフィンガーとクリームの層のてっぺんにレッドカラントがかかっています。
とても鮮やかな赤のこの実、小粒でもきりりと酸っぱく、
何度か食べて味を覚えた今は見るだけでつばが…その効果、まるで梅干しです。


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クリスマス当日は、ちびっこのいる家でにぎやかに過ごしてきました。
もとから持っていたらしい木製の剣とぴったり合う木製の盾を手に入れた
4歳児と3歳児のエネルギーたるや…!
この日はクリスマスらしいローストビーフとヨークシャープディング、
それからPig in Blanket(以前も紹介しましたが、
ソーセージをベーコンで巻いてローストしたもの)。
途中天井から水漏れするというハプニングにも見舞われて
(幸い食卓の上ではありませんでしたが)
ホストのご夫婦はてんてこまいのようでしたが、
我々ゲストは楽しく過ごしました。


翌日の26日、ボクシング・デーには、
暖炉のあるパブで一休みして、シェフィールドに帰ってきました。

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この日は近所のファームショップで予約しておいた鴨を丸ごとロースト。

photo 3
(クリックで拡大します)


鴨や家鴨は皮下脂肪がとても多いということで、
ローストする前に皮にいくつも穴をあけておくと、どんどん脂がでてきます。
最終的に、5~6回はローストポテトが楽しめそうな量の脂を手に入れました。
瓶入りで買うと2~3ポンドするので、少しお得感です。
中にオレンジを詰め、Chinese Five Spicesと蜂蜜であっさり味をつけた
鴨肉もとてもおいしく仕上がりました。

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2013年のクリスマスはイギリスの晴れの日の家庭料理に
舌鼓を打った数日間でした。

Festive season

はやくも年の瀬ですね。
半年も更新を怠ってしまいました。



6月に更新してから

8月にはフリンジ・フェスティバルのためにエディンバラに行ったり

(初めてフェスティバル中のエディンバラを訪れましたが、
 すごい熱気、そして人混みでした。
 微力ながら、ある作品の準備に関わることができ、
 また素晴らしいパフォーマンスも数々見ることができて良い経験でした)

IMG_1622_convert_20131215075549.jpg



友人の結婚式にコモ湖畔を訪れたり

(実に風光明媚なセッティングの中での
 豪華な式とパーティーに圧倒されました...!
 さりげなく20年代をテーマにした式で
 ドレスから音楽まで素敵なものばかり)


  


そのうちに新しいアカデミック・イヤーが始まり
大学と自宅の往復&定期的にロンドンに観劇(という名の研究活動、です笑)
の日々をくり返すうちに早くも12月です。


おかげさまで、先日 Confirmation Review という名の
2年次に上がるための試験を終えました。
何とか関門を通り抜けたようで、今はほっとひと息ついています。

この半年ほど、英語のブログも日本語のブログも
思うように更新できなかったのですが
もう少し定期的に短い記事で日々のあれこれを書いていけたらと思っています。



さて、クリスマス間近ということで街はクリスマス一色。
シティ・センターにはこじんまりとクリスマス・マーケットの屋台が並び
あちこちにイルミネーションも。
私もせっかくイギリスにいるので、近所の八百屋さんで
今年も本物のツリーを購入する予定です。


次回は、今準備している
Christmas Hamper (クリスマス・ハンパー)について書こうと思います。


新しい年のはじまりに際して

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。



2013年の始まりに際しての抱負はもちろん、
研究を充実させて、秋のconfirmation review
(と名前を変えた、かつてのupgrade試験。
一年目と二年目の間にあるこの試験を経て、博士論文提出の許可が与えられます)に通ること。

そして
たくさんの舞台を見ること、
それについて頻繁にレビューを書くこと。

他にも
エジンバラ・フリンジ・フェスティバルに出品するカンパニーの制作スタッフ、
学内でのちょっとした仕事など始まることもたくさん。


ここ三か月は、とりあえず片付ける&状態を保つことでいっぱいいっぱいだった家も
少しずつ住み良くしていくのも、やりたいことのひとつ。
まだ私の部屋に合う手頃な家具には出会えていません。
(机・椅子・ソファは拾いもの、本棚は借りもの)
ヴィンテージ・フェアやアンティーク・センター、チャリティ・ショップを
ちょこちょこ回るのも昨年に引き続き、続けていくことになりそう。


何かを始めることを億劫がらずに
しかし継続がおろそかにならないように
充実した一年にしていきたいと思います。


このブログも、今年はなるべく定期的に続けたいと思っていますので、
よろしくお願いします!


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今回の話題は Stoke-on-Trent への今年最初の遠出。
ストークは、ご存知 Wedgwood を始めとする陶磁器産業の街です。

とはいえ、興味がない人にとっては地元のフットボールチーム、
ストーク・シティの方が先に思い浮かぶようで
「なんでそんなところに行きたいの?」
という質問に何度か説明をしなければなりませんでした。


私の主な目的は、工場の直営店で難あり(Secondsと言います)の食器を安く購入すること。
普段でさえ数割引の物が、1月のセール時期にはどうなるのかな、と期待が膨らみます。

たくさん行きたい場所があったのですが、
今回は Burleigh のファクトリーショップ、
Royal Doulton & Wedgwood のアウトレット、
Emma Bridgewater のファクトリーショップの三か所にしぼりました。


年明けから少し経った5日、いざストークへ。
途中の道路が閉鎖されているという思わぬ障害に阻まれて遠回りをしたため、
予定よりも時間がかかってしまいましたが、無事到着。

街の本当の中心部には行かなかったのですが、
私の住むシェフィールドとそう変わらない規模の街でした。
(つい先日見たドキュメンタリーでは、ウェッジウッドが陶磁器産業の発展に寄与した理由、
 産業革命時において運河が果たした重要な役割などが語られていて興味深かったです。
 新しく入ってきた紅茶を飲む習慣が陶磁器の普及に大きく貢献したとか。
 そのときはへぇ面白い、と思ったのですが、
 茶の湯の発展に伴って様々な茶器が作られたのと同じですね。
 おいしいものはいいものでいただきたい、というのはどこでも一緒なんだな)


ストークに着いてまず向かったのは、博物館の特別展。
ごく最近になって発掘されたStaffordshire Hoard(スタッフォードシャーの財宝)
http://www.staffordshirehoard.org.uk/
が見られるとあって、賑わっていました。
アングロ=サクソンの時代、7~8世紀に優れた金属や装飾品の加工技術があったとは
考えられてこなかったので、画期的な発見だとか。

総じて戦闘に用いられる武器などの装飾部分で、
金の細かい装飾の中にガーネットが埋め込まれている剣の柄や、
龍、あるいはタツノオトシゴのような形のものなど、
とても目に鮮やかでした。



そして(私にとって)本日メインのお買い物へ。

一番行ってみたかったのがここ、Burleigh。

Burleigh_3


工場の直営店だけあって、
本当にここ?というような道の奥にあります。
入り口もかなり控えめ。

Burleigh_2

日本人好みで多くの日本人が訪れるのでしょう、扉には「ようこそ」の文字も。


中に入ると、所狭しとかわいらしい食器たちが並んでいました。

Burleigh_1

全部ほしくなってしまうかわいらしさでしたが、
とりわけ安くなっていたブルーの Asiatic Pheasantsのシリーズのケーキ皿とマグカップ(写真左)を購入。
半端物のソーサー(ソーサー、だけ)が小さいものが25p、大きいものでも50pという安さだったので
何かに使える、と買ってみました(写真右)。
そのうち、チャリティーショップでぴったりなカップだけに出会うかも知れませんし。

Burleigh_4 Burleigh_5

このあとに訪れた RDWW のアウトレットやEmma Bridgewaterのお店は目に楽しかったけれど
特に惹かれるものはなく。

次に行くときは Burleigh と、Spode、Royal Stafford に行こう、と早くも再訪を誓いました。


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次回は、ひとりスタディ・ツアーと銘打って
ロンドンに三泊四日で行ってきたときの観劇記を記したいと思います。

À bientôt!

久しぶりのロンドン

と言ってみたものの
今回の渡英のあと、ロンドンを一度訪れている。

11月初旬、大英図書館で催された博士課程一年目の学生向けのオープンデーに
参加するため、日帰りで訪れたのだった。
とはいえ、ご存知のように大英図書館はSt. Pancras Intl駅の隣にあり、
日帰りするとあっては、駅周辺から出るのも煩わしく、ロンドンの街を歩くことはしなかった。



今回の主目的は観劇。
現代イギリス演劇・パフォーマンス研究を専攻している者としては、
今行われていることに親しまないでは研究が進まない。

といえば何だか大層ですが、趣味でもあります、というか趣味そのものです。
勉強すべき対象と趣味が一致しうるところが演劇・パフォーマンス研究の素晴らしいところ。

(ただし、理系の研究における実験器具や人類学のフィールドワークのように、
観劇は研究活動の一環と見なされにくく、常に全部自腹であるところが痛い。悲しや。
趣味やから仕方ないんやけど)

勿論シェフィールドの位置するヨークシャーにも良い劇場はあるし、
見るべきものも多くあるのだけれど、
なるべく多くのものに触れるには、
どうしても日々多くの公演・イベントが催されるロンドン行をしばしば決行せねばならない。

そのレポートを少しばかり。


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22日昼はRoyal Court TheatreでNSFWのマチネを、
夜はBACでSight is the Sense That Dying People Tend to Lose Firstを観た。

NSFWはLucy KirkwoodによるRoyal Courtでのデビュー作。

NSFW: Not Safe For Workの略。
職場のように、公共の場やフォーマルな環境でアクセスしているところをユーザが
他人に見られたくないようなネット上のコンテンツに付けられる警告のこと。

男性週刊誌と女性ファッション誌雑誌の編集部を舞台にしたコメディ。
男性週刊誌編集部の三人の新人ライターがある出来事をきっかけに、それぞれ立場を違えてゆく。



2つのあらゆる点で異なる雑誌の、それぞれの編集長のオフィスという小さな空間を舞台に、
<今>をとてもうまく捉えていて面白かった。
とても速く、テンポの良い応酬が小気味よい良作でした。


チケットを引き取るためにBox Officeに並んでいたら、
「マチネのチケット買うの?連れが来られなくなって二枚余ったからあげるよ」
という親切そうなおじさまがチケットをくれそうになったのだけれど、
すでに予約していたからお断り申し上げた。

今回初めて行ったRoyal Court Theatre。
劇場に2つある舞台のうち、地下にあるJerwood Theatre Downstairsは
舞台にぐっと客席が近く、親密な空間が心地よい劇場でした。




Sight is the Sense That Dying People Tend to Lose First
(ポストメインストリーム・パフォーミング・アーツ・フェスティバル 2010で
 上演されたときの邦題は『視覚は死にゆく者がはじめに失うであろう感覚』)は
Forced EntertainmentのTim Etchellsが書いたテクストを、
Jim Fletcherの演じるソロ・パフォーマンス(一人芝居というのとはまた違う質のもの)。



役者の小さなため息が確かに聞き取れ、唇の震えさえも具に見てとれる小さな空間での1時間。

Monopoly is a game for 2-6 players. Tennis is a game for 2 or 4 players. Golf is a game for lazy people.
「モノポリーは二人から六人用のゲームである。テニスは二人から四人用のゲームである。
ゴルフは怠け者用のゲームである」

America is a country.Thailand is also a country.Some men have sex appeal.Blind people cannot see anything.
「アメリカは国である。タイもまた国である。色気のある男もいる。盲人たちは何も見えない」



何々はこれこれである(あるいは、ない)

というごくシンプルな言説の積み重ね、しかもひとつひとつの関連性はごく小さい。
それがスピードとイントネーションに彩られ、また互いに関連のないはずの文章が段々と流れを作っていく。
ごく当たり前の定義に愉快なものが混じったかと思えば、何やら残酷に響くものも出てくる。
言葉そのものは面白いのに、存外面白く響かないこともある。(意図された「失敗」)

そのうちに世界を規定する言説そのものが、内に持っている残酷さが少しづつ浮かび上がる。
断定する言葉が、句点のあとに少しの静寂を伴って、空間を切断していく。
残酷さは笑いと紙一重である。


1時間で世界を描き出す、ということを出発点としたこの作品、
果たして世界はどんなところなのか、どうなるのか、結論めいたことを役者は一切言わない。
主張は言葉に内在している。
そしてその主張はそれを受け取る観客に応じて、その都度形を変えていく。


その場では観客は、Jim Fletcherのdead panぶりにくすくすと笑い、妙に的を射た定義に「おお」とうなる。
そして「視覚は死にゆく者が最初に失うであろう感覚である」と言い終えるや
ミネラルウォーターのペットボトルをさっと拾って退場する背中を見ながら、
耳に残る一見してごく当たり前の言葉の端々に何かざわざわする雑音を聞き取るのである。

シンプルだからこそ実に豊かな、饒舌な舞台。
実に、観て良かった。


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二日目はケンジントン周辺のVintage Shopをめぐって、
英国産の手染めの毛糸を扱っているお店へ。


Prick+Your+Finger_convert_20121127030959.jpg

とてもカラフルな店内。
それぞれの毛糸の説明をしてくれたり、
毛糸を玉にするのを機械で(あんな機械、初めて見た!ほしい!)手伝ってくれたりと、
店主さんは大変フレンドリーでいい人でした。

機会があれば、また行きたいな。


Prick Your Finger
260 Globe Road
London
E20JD
Tuesday - Saturday 11am - 6.30pm

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プロフィール

jellicle.m

Author:jellicle.m
京都で文学を学ぶこと数年間、
演劇研究を学びに英国に来ました。

舞台・文学・映画etc.のことを
語るつもり。

好きなもの、
ぽちぽちつくったものも
紹介していきます。

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